日々の食事を考えるうえで重要なのは科学的根拠(エビデンス)である──そう指摘するのは、『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社刊)がベストセラーとなった、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)助教授の津川友介医師だ。
「日本で紹介されている健康に良いとされる食事法には、医学的に『逆効果である』、『効果がない』という結果が出ているものも少なくない。個人の経験則に基づき、たしかなエビデンスがない情報も散見されます。
普段から食生活に気を遣っている人ほど、そうした間違った健康情報を実践している可能性がある」
近年発表された医学論文をもとに検証していくと、これまで“常識”と思われていた食事法の多くに「言ってはいけない真実」が見つかった。
◆「肉を減らして野菜を多く」で脳卒中リスク20%増
野菜を食べることが健康に良いとされる半面、肉食には肥満やコレステロール過多などによる生活習慣病のリスクがあることがたびたび指摘される。しかし、今年9月4日に英国の権威ある医学誌『BMJ』上で発表された研究では、その“定説”を覆す結果が出た。