有言実行という覚悟の表われか。『ZOZOチャンピオンシップ』(10月24~28日)で、初日から一度もトップを譲ることなく完全優勝したタイガー・ウッズ(43)。米ツアー通算勝利数は82となり、サム・スニードの持つ最多勝記録に並んだ。
来日後のウッズは大会前からイベントに引っ張りだこだったが、幾度となく“公約”を宣言した。20日のトークイベントでは「来年、米国代表としてここに戻ってこられるように頑張りたい」と、東京五輪への意欲を覗かせた。
「翌日の会見でも、五輪はプレーしたい大会、と強調。相当な意気込みです」(ゴルフ担当記者)
各国の代表は世界ランキング(WR)を元に作成されるオリンピックランキング(OR)で決定され、ORの上位60人に出場権が与えられる。
「今回の『ZOZO』優勝でウッズのWRは10位から6位に上がりました。1か国から出場できるのは原則2人までで、WR15位以内の選手については同じ国から4人という制約がある。ウッズは米国勢の7番目から4番目に上がり、五輪代表圏内に入った。その一方で米国はWR15位以内に10人がランクインする激戦で、熾烈な争いが続いている」(同前)
ORが決定される来年6月23日の段階で、米国上位4位以内をキープしなければならない。
「上位にいるのは29歳のケプカ(WR1位)をはじめ、20代の選手がほとんど。タイガーは年齢に加え、8月には5度目となる膝の手術をしているので、安泰とは言えません。ポイントが高くランキングへの影響が大きい来年4月のマスターズ、5月の全米プロ、そして締め切り直前にある6月の全米オープンといったメジャーで勝てるかどうかが重要でしょう。
ウッズは今年4月にマスターズで復活優勝した時もWR12位から一気に6位に上がり、五輪代表圏内に入った。チャンスは十分あると思います」(ツアー関係者)
一時はWR1199位まで落ちながらも復活したタイガー・ウッズ。奇跡の“マスターズ連覇”で東京への道を切り拓いてほしい。
※週刊ポスト2019年11月8・15日号