1980年の自叙伝『蒼い時』以来、39年ぶりとなった三浦百恵さん(60才)の著書であるキルト作品集『時間(とき)の花束 Bouquet du temps』は20万部を突破。出版記念特別展キルト展には大勢のファンが詰めかけた。
“時代が山口百恵を必要としていた”──アイドル当時、“時代と寝た女”と称されるほど人気絶頂だった彼女は、1979年に俳優・三浦友和(67)との婚約を発表し、1980年に引退。
それから表舞台に立つことがないまま約40年経っているにも関わらず、今なお我々を魅了し続けている。その理由とは一体何だろうか?
1973年のデビューから1980年の引退まで、歌姫・山口百恵をプロデュースしてきた、音楽プロデューサーの酒井政利さんが語る。
「例えば初期の作品ですと『冬の色』などでは純白な世界を、後半の成長してからの作品『プレイバックPart2』などでは熟した女性を表現しています。譜面通りにただ歌うのではなく、16、17才の少女が自分で解釈して気持ちを投入、すばらしい表現力でした。
穏やかさの中に表情が豊かでしたから、直接会って話した後などでは“あれ、随分話したつもりだったのに、大して話をしてなかったな”って不思議な気持ちになることも多かったですね。
彼女はどんな場に立っても、創意工夫を凝らして生きている。今の日常生活の中で、三浦百惠さんとして表現できたのがキルトだったのでしょう。女優、歌手としての偉業はもちろん、生き方を含めてすべてが魅力的なのだと思います」
令和の今もその煌めきは健在だ。
撮影/女性セブン写真部
※女性セブン2019年11月7・14日号