天皇の即位は日本国民だけの行事、という時代は終わった。今回の即位の礼には世界各国のメディアから取材が殺到し、インターネットで生中継されるなど、世界的な一大イベントへと様変わりしたのだ。
普段は反日的な報道が目につく中国や韓国のメディアでも、天皇の即位については好意的な見方を示した報道が多い。
中国のニュースサイト「環球網」では、「厳かで、伝統と神秘的要素も漂う式典は、世界に対してこの東アジアの発展した近代国家が、知られざる一面を持つことを示した。日本の天皇制という“現存する世界最古の王室制度”は、新たに世論の注目を集めた」(10月23日)と評価した。
同じくネットメディア「観察者網」(10月22日)では、遼寧大学日本研究センター客員研究員の陳洋氏が、今回の中国政府の対応を分析している。
「中国からは前回(の即位の礼)以上に階級の高い代表者が出席し、日本からも大きな関心を集めた。明仁天皇の在位中のさまざまな貢献に対して敬意を示す意味もあるだろうが、中日関係が改善方向にあるゆえと考えられる。前回の中国代表は呉学謙副総理だったが、今回は国家副主席であり、習近平主席の特使である王岐山が出席した。階級は明らかに上がっている」
陳氏は日中関係が改善しつつあるとの見方を示した上で、新天皇の最初の訪問先が「中国になる可能性が高い」とも予測した。
史上最悪とまでいわれるほど関係が悪化している韓国で増えているのが、安倍首相と対比して天皇を評価する解説記事である。