今年のプロ野球ドラフトでは、高校野球を沸かせた2人のライバル、佐々木朗希(大船渡)と奥川恭伸(星稜)に注目が集まった。スポーツ界の歴史はこのように、ライバルとして並び称された「ふたり」が何組もいた。
日本シリーズでは屈辱の4連敗を喫し、復帰1年目での日本一を逃した巨人・原辰徳監督にも高校時代にライバルがいた。同じ4番・サードとして1975年春のセンバツ決勝で対決、「西の杉村、東の原」と並び称された杉村繁(高知)だ。
「杉村は高校時代から“中西太2世”と呼ばれたパワーヒッター。原を擁する東海大相模との決勝では、延長13回に三塁打を放って優勝を決めた。水島新司の名作『ドカベン』に登場する微笑三太郎のモデルとしても有名です」(ベテランスポーツ紙記者)
杉村はドラフト1位でヤクルトに入団。ユーティリティープレーヤーとして重宝されたものの、強打はプロでは鳴りを潜め、11年間でわずか4本塁打に終わった。
「引退後は人柄を買われて球団広報などフロント業務を長く務め、コーチとしてもヤクルトでは青木宣親、横浜では内川聖一を育てるなど実績がある。現在はヤクルトの巡回コーチをしています」(同前)
※週刊ポスト2019年11月8・15日号