11月4日まで東京・有明の東京ビッグサイト及び青海エリアで一般公開されている東京モーターショー。今モーターショーの見所のひとつとなっているのは、国内外の主要メーカーが未来のコンセプトも含めた最新の「EV(電気自動車)」をこぞって展示していることだ。いよいよEV全盛の時代がやってくるのか──。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が、トヨタとホンダがお披露目した小型の“ちょい乗りEV”の特徴をレポートする。
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東京モーターショー2019でひと際目を引いたのは、EVの出品の多さです。自動車メーカーでいえば、EVを出品していないのは、次世代の「レヴォーグ プロトタイプ」を発表したスバルと、ルノー、アルピナだけ。それ以外のメーカーはすべてEVを用意していたのです。まさに“EV祭り”の様相です。
とはいえ、その内容をよくよく吟味してみると、意外や日本での発売がアナウンスされているEVが非常に少ないことに気づきます。ほとんどが“未来のコンセプト”、もしくは“日本発売は未定”というものばかり。
結局、“日本で売るよ”という日系ブランドのEVは、トヨタの「超小型EV」と、ホンダの「ホンダe」の2台だけ。そういう意味で、今回の東京モーターショーで、ぜひともチェックしてほしいのが、この2台のEVです。
まず、名前のまだ決まっていないトヨタの「超小型EV」。これは軽自動車よりも小さい新カテゴリーとして2020年の冬にリリースされるといいます。
全長2490mm×全幅1290mm×全高1550mmで2人乗り。小さいけれど軽自動車と同等の衝突安全性能は確保されているとか。最高速度は時速60kmしか出ません。1回の満充電で、100kmほどの走行が可能。エアコンもついており、日常の足には便利に使えそうなEVです。
販売価格は軽自動車と同等以下であることが期待されていますが、果たして、そんな価格が実現できるのかに注目です。価格次第では、普及の可能性も大いにありえる1台です。また、このモデルで軽自動車以下という新ジャンルが開拓できれば、当然、ダイハツやスズキも参入するはず。地方のクルマ社会を変革する可能性さえあります。
ちなみに同じプラットフォームを使った3列シートの「APM」が、いち早く、東京オリンピックに200台投入されるとか。