根強い支持を集める「糖質制限ダイエット」は、炭水化物の摂取を減らすため、短期的には血糖値のコントロールや減量がしやすいとされるが、近年の研究では、長期間続けるリスクがより大きいと判明している。
米ハーバード大学が約1万5000人を対象に25年間追跡調査すると、食事に占める炭水化物の割合が3割以下の人は、最も死亡率が高いという結果が出た。
また、国立国際医療研究センターが2013年に発表した、海外の糖質制限食に関する長期研究の解析結果では、摂取カロリーに占める糖質の割合が低い「低糖質群」は、「高糖質群」に比べて総死亡率が1.31倍になったという。新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦医師が指摘する。
「糖質制限によるカロリー不足を補うために、たんぱく質を多く摂取することが最も危険です。
2012年に米国、ギリシャ、スウェーデンなどの研究チームが行なった、4万人超対象の15年間の追跡調査では、『炭水化物を20グラム減らしたうえでたんぱく質を増やす場合、たんぱく質が5グラム増えるごとに心筋梗塞と脳卒中を合わせた発病率が5%ずつ高まる』という結果が出ました」
※週刊ポスト2019年11月8・15日号