多くのドラマが2~3話目の放送を終え、いよいよ本格的な展開が始まる今クールのドラマ。そんななかで“月9”ブランドの意地を見せているのが、ディーン・フジオカ(39才)と三代目J SOUL BROTHERSの岩田剛典(30才)がコンビを組む探偵モノの『シャーロック』(フジテレビ系・月曜21時)だ。
「一時は人気低迷に苦しんだフジの月9枠ですが、昨年7月期の『絶対零度~未然犯罪潜入捜査』から今年7月期の『監察医 朝顔』まで5クール連続で全話平均2ケタをマークして盛り返しています。本作もこの流れに乗って、今クールの初回視聴率で5位に。2話以降は右肩上がりとはいかないものの、2ケタ視聴率で終えられるか注目されています」(民放関係者)
ドラマ評論家の吉田潮さんは本作にハマった1人。
「ディーンさんがいいですね! 過去に出演した『モンテ・クリスト伯』や『レ・ミゼラブル』では貴公子然としていて、女優でいえば仲間由紀恵さん(40才)と同類の“浮世離れ感”がありました。でも本作ではちゃんと地に足がつく演技を見せています。それでいてバイオリンを弾き、シャドーボクシングをするなど“おディーン様感”もサラッと入っていて大満足」(吉田さん)
波瑠(28才)主演の『G線上のあなたと私』(TBS系・火曜22時)に出演中の中川大志(21才)も高評価。
「いくえみ綾さんの同名漫画が原作で、バイオリン教室で知り合った男女3人の恋と友情を描きます。大きな事件は起きないが、ほどよい距離感を保った人間関係が心地よい。
特に19才の大学生を演じる中川くんの演技が素晴らしく、お酒に酔ってヘロヘロになるシーンは多くの女性を胸キュンとさせたはず。福士蒼汰くん(26才)に似ているといわれていますが、今や俳優としては中川くんの方が格上では。福士くんは今クールの『4分間のマリーゴールド』(TBS系・金曜22時)で救急救命士を演じていますが、残念ながら演技は…(苦笑)」(吉田さん)
一方で、多くの演技派を擁しながら厳しい闘いを強いられているのは、2006年に偏屈だけど憎めない“結婚できない男”を阿部寛(55才)が演じ、人気を博して以来、13年ぶりの続編となる『まだ結婚できない男』。初回視聴率11.5%と好スタートを切ったが、「そろそろ離脱するかも」との視聴者の声もチラホラ。
「前作の放送時はまだ珍しかった『結婚できない男』が今は当たり前になったばかりか、“結婚できないことをイジるのはナンセンス”との世の空気もあり、評価が下降している。前作は最高視聴率22%を叩き出しただけに思わぬ逆風にスタッフは大慌てです」(制作会社関係者)
コラムニストの今井舞さんは「ヒロインに難あり」と指摘する。
「前作は夏川結衣(51才)がキッチリ脇を固めていたけど、今回は吉田羊(45才)、稲森いずみ(47才)、深川麻衣(28才)らが分散して、どの女性に感情移入すればいいかわかりません。猫背で睨みを利かせながら歩くだけで笑える阿部ちゃんがひとり芝居するシーンは滑稽で面白いので、私は見続けますが…」(今井さん)
※女性セブン2019年11月21日号