作業服やアウトドア用のカジュアルウエアなどが人気となり、業績絶好調の「ワークマン」。いまや店舗数は「ユニクロ」をも上回り、“ポストユニクロ”の代表格となっているが、認知度が高まるにつれて懸念されるのが、街中で同じ服を着た人が増える「被(かぶ)り現象」だ。ユニクロも一時は“ユニバレ”と言われ、アウターなど目立つ服の購入をためらう顧客もいた。果たしてワークマンにその心配はないのか──。ファッションジャーナリストの南充浩氏がレポートする。
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フォーエバー21の日本撤退とアメリカ本国での経営破綻、オンワード樫山の600店舗閉店計画、サンモトヤマが自己破産するなど不景気なニュースが多いアパレル業界ですが、ワーキングユニフォームのワークマンは、好調な業績を叩き出しています。
2020年3月期決算(第2四半期)では、営業総収入418億8600万円(前期比45.2%増)、営業利益86億4200万円(同55.1%増)、経常利益93億5700万円(同51.8%増)と大幅な増収増益となりました。ショッピングセンター内にカジュアル・アウトドア用の新業態「ワークマンプラス」を出店して一般向けにも大人気となっており、オープン早々に品薄になった店もあるほどです。
現在、ワークマンは全国に873店舗ありますが、そのうち810店舗がフランチャイズ(FC)店となっています。コンビニエンスストアと同様の手法であるため、直営店とはまた異なった厳しい側面があります。現在の好調ぶりが続いてFCが増え続ければ、いずれはコンビニエンスストアと同様にカニバリズムを起こす危険性もあります。
とはいえ、ワークマンの業績は目下のところ絶好調で、前出の決算報告によれば、半年間で736万点もの商品の販売に成功したといいます。
しかし、大量の商品を販売するということは、同じ商品を買った人が増えるということで、いわゆる「被り」現象が発生しやすくなります。被りといえば思い出されるのが、ユニクロです。1998年のフリースブームが起きて以来、同じ服を着た人を街中で多数見かける“ユニバレ”が話題となりました。
ちなみにユニクロは2011年には国内外を合わせて700万枚のウルトラライトダウンを販売しました。当時は海外店舗数も売上高も国内より圧倒的に少なかったため、この700万枚のうち、少なくとも半数以上は国内で販売されたと考えられます。半数でも350万枚ですから、莫大な数量を販売したといえます。