ライフ

世界中で問題の「多剤併用」 なぜそんな事態が生じるのか

薬が健康を害しているとしたら…?

 医師から処方された複数種類の薬が相互作用を引き起こして体調に異常をきたす──「多剤併用」が、世界中で問題となっている。

 2016年にオランダの研究チームが発表した、心房細動の薬を常用する約1万8000人について調査した報告では、薬を合計6種類以上服用する患者は5種類以下の患者よりも脳卒中または全身性塞栓症の発症率が高かった。

 国内でも、東大医学部付属病院の研究チームが65歳以上の約2400人を調査したところ、「1~3剤服用」における有害事象(検査値の悪化など好ましくない症状のこと)の発症率は6.5%にとどまったが、「6~7剤服用」では13.1%に倍増し、「10剤以上服用」では13.9%に達した。

 他にも、多剤併用の弊害を指摘する研究は数多く存在する。にもかかわらず、問題はなかなか解消されない。今年6月に厚労省が発表したガイドラインによれば、「5種類以上の薬を処方されている人」の割合は65~74歳で27.2%、75~84歳で36%、85歳以上になると47.3%にのぼる。そうした事態が生じる理由について、都内のある内科医はこう話す。

「初診の患者さんには、すでにどんな薬を服用しているかを問診で尋ねてから新しく処方する薬を決めますが、すでに複数の薬を服用していても、重ねて新しい薬を処方するケースがほとんど。患者が直面している症状の治療を優先すると、薬が増えるという現実がある」

関連キーワード

関連記事

トピックス

単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
大の里の調子がイマイチ上がってこない(時事通信フォト)
《史上最速綱取りに挑む大関・大の里》序盤の難敵は“同じミレニアム世代”の叩き上げ3世力士・王鵬「大の里へのライバル心は半端ではない」の声
週刊ポスト
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎ストーカー殺人事件》「テーブルに10万円置いていきます」白井秀征容疑者を育んだ“いびつな親子関係”と目撃された“異様な執着心”「バイト先の男性客にもヤキモチ」
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《田中圭との不倫疑惑》永野芽郁のCMが「JCB」公式サイトから姿を消した! スポンサーが懸念する“信頼性への影響”
NEWSポストセブン
騒然とする改札付近と逮捕された戸田佳孝容疑者(時事通信)
《凄惨な現場写真》「電車ドア前から階段まで血溜まりが…」「ホームには中華包丁」東大前切り付け事件の“緊迫の現場”を目撃者が証言
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン
小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
食物繊維を生かし、健全な腸内環境を保つためには、“とある菌”の存在が必要不可欠であることが明らかになった──
アボカド、ゴボウ、キウイと「◯◯」 “腸活博士”に話を聞いた記者がどっさり買い込んだ理由は…?《食物繊維摂取基準が上がった深いワケ》
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
「週刊ポスト」本日発売! トランプ圧力で押し寄せる「危ない米国産食品」ほか
NEWSポストセブン