かつて野球界を席巻した“松坂世代”と呼ばれる1980年度生まれの選手たちも、もうすぐ40歳を迎える。その世代を象徴する存在である松坂大輔(39)は、今年10月に中日を退団する方針を表明していた。このまま引退かともささやかれていたが、その松坂には古巣・西武が正式オファーを出しているとされる。
「2014年にメッツを自由契約となった直後も西武は獲得調査を進めていた。この時は戦力として検討していたが、今回は将来のコーチ、監督含みのオファーです。松坂がトライアウトに参加してメッタ打ちされると、いくら指導者含みとはいえ獲得に批判が出るため、その前から交渉に入った。もちろん、2014年ぶりの復帰ならファンが球場に足を運んでくれるという目論見もある」(西武番記者)
中日時代から“客寄せパンダ”と揶揄された松坂だが、女房役の森友哉(24)に加え、山川穂高(27)や中村剛也(36)ら強打者がズラリと並ぶ「山賊打線」の援護が期待でき、戦力として計算できるとの見方もある。
プロ野球のデータに詳しいジャーナリスト・広尾晃氏が語る。
「中日で6勝をあげた2018年のデータを見ると、初回に味方が先制すると負けがほとんどなかった。序盤の大量失点で崩れやすい傾向がある一方で、序盤に援護を受けた試合ではゲームを作っている。西武は今季、12球団最多の756得点をあげており、中日時代よりは勝ち星を稼げそうです」
山賊打線の猛攻なら“5回5失点でも2ケタ勝利”──というのは、少々期待しすぎだろうか。ちなみに名球会入りの200勝まであと30勝だ。
※週刊ポスト2019年11月29日号