NHK朝ドラ『スカーレット』のヒロインで注目されているのが女性陶芸家たち。美と実用に挑む凛々しきアーティストたちは、なぜ陶芸家の道を歩んだのか?
石川県輪島市で制作活動を続ける松本かおるさん(47)は東京都で生まれた。2008年、備前陶芸センター修了後、備前焼作家・星正幸氏に師事。2017年、石川県輪島市に移住して制作活動を続けている。
「34歳になるまで東京の一般企業で働いていました。陶芸家としてのスタートは人より遅かったのですが、天職に出会えたと思っています。
もともと食に興味があったことから、器が好きになって、自分でも作りたいと陶芸教室に通うようになりました。習い始めると面白くて、何の迷いもなく仕事を辞めて、岡山にある備前焼の学校に入学しました。一昨年から輪島に移住し、漆を施した作品にも取り組んでいます。
作る楽しみだけでなく、使う楽しみもあるのが陶芸の魅力。たとえばお酒を美味しく飲めるようにと作ったカップでも、実際に使えばより良い形が見えてくるもの。自分で使いながら改良を重ね、美味しくなる器を作っていきます。作品に酒器が多いのは、お酒が好きだから(笑い)。作品は日々の生活の中から生み出されていくものですね」