プロ野球の話題の中心はストーブリーグへ、という季節になった。毎年、注目があつまるメジャーリーグ挑戦組だが、今年はポスティングでのメジャー移籍を目指すDeNA・筒香嘉智(27)と広島・菊池涼介(29)、そして海外FA権を行使した西武の秋山翔吾(31)だ。
いずれも移籍先として複数球団が取り沙汰されているが、MLB研究家の福島良一氏はこう指摘する。
「筒香は左の強打者を求めているホワイトソックス、菊池は“まるでニンジャ”と評価が高いセカンド守備を買っているジャイアンツ、秋山は機動力のある外野手がほしいカブスが有力とされます。そうなれば秋山はダルビッシュ有とチームメイトになる」
不安要素は、二刀流の大谷翔平を例外として、近年は日本人野手の評価が低くなっていることだろう。移籍交渉が決裂した場合、FA権を行使している秋山は国内球団の獲得戦が予想される。
「西武が残留に4年20億円を提示しているというが、ソフトバンク、楽天、巨人が西武を上回る好条件を出すとみられています。西武内には“国内移籍の条件を吊り上げるために海外FA権を行使したのでは”という見方さえある」(スポーツ紙デスク)
ポスティングシステムを利用する筒香、菊池はDeNAと広島に残留となるが、それぞれに火種があるようだ。
「菊池は国内FA権も取得していたが、海外移籍しない場合は残留ということで球団は感謝している。ただ、菊池の穴を埋めるべく獲得した前フィリーズのホセ・ピレラ内野手が無駄になる可能性が出てくる。
それ以上に問題となりそうなのがDeNA。すでに筒香の譲渡金を前提とした補強戦略を進めており、他の選手も“筒香マネー(今季推定年俸4億円)”が分配されることを期待している。出戻りとなれば、球団やチームメイトとギクシャクするかもしれない」(同前)
12月9日~12日のウィンターミーティングが、3人の分岐点になりそうだ。
※週刊ポスト2019年11月29日号