「稀に見る“反東大”内閣」ともいわれる安倍政権のお歴々に“敵視”されている高学歴のエリート官僚たちは、実績も能力も足りないのに入閣した大臣たちをひそかに採点し、見下しているという。元経産官僚の古賀茂明氏が語る。
「大臣の人選は当選回数が一つの目安になるから、官僚は入閣適齢期の大臣候補について日頃の付き合いや他省庁の評判を聞いて、大体把握している。閣僚名簿が発表されたときには“うちの新任の大臣の力量はこんなもの”とわかっている」
就任2か月足らずで辞任した菅原一秀・前経産相と河井克行・前法相は、就任直後から省内で「秘書へのパワハラは有名。内部告発で任期を全うできないのでは」と不安視されていたが、“予言”通りになった。
逆に、役所から歓迎されながら期待外れだったのが小泉進次郎・環境相だ。地球温暖化対策の「炭素税」導入をめざす環境省は当初、「発信力がある大臣が来た」と喜んで進次郎氏をいきなり国連演説に立たせた。ところが、原稿になかった「セクシー発言」が炎上し、歓迎ムードは急速にしぼんだ。いずれも大臣ポストが“身の丈”に合わなかった。
これで出尽くしではない。官僚たちの“採点簿”にはまだ不合格の大臣がいる。
◆マラソン札幌開催で「保身」に走った橋本五輪相
「いくら小池(百合子・東京都知事)の怒りが恐くても、あんな見え透いたウソをつかなくてもいいのに」
役人にそう笑われているのは橋本聖子・五輪担当相だ。東京五輪のマラソン・競歩の札幌開催問題で、橋本氏は「初めて聞いたのは10月15日」と、最後に知らされた小池都知事と同じ日だったと説明した。
しかし、橋本氏はその5日前、森喜朗・東京五輪組織委員会会長とともに札幌市長と会談している。
「何も知らず3人で会ったというのはさすがに苦しい。五輪担当相は組織委員会や東京都との調整役にならなければならないのに、“聞いてなかった”と保身に走った」(組織委員会関係者)