元女性皇族としては、30年ぶりの慶事だった。天皇陛下のはとこにあたる、高円宮家の三女・絢子さんが11月17日、東京・港区の愛育病院で第1子となる男児を出産した。絢子さんは昨年10月、会社員の守谷慧さんと結婚し皇籍を離れていた。
「出産の3日前、守谷さんは、御代がわりの中心儀式『大嘗祭』に出席しました。出産日と儀式が重ならず、一世に一度の儀式が終わるまでお腹の中でおとなしくしていた赤ちゃんは、“親孝行なお子さんだ”と評判になっています」(皇室記者)
秋篠宮家の長女・眞子さま(28才)と小室圭さん(28才)の結婚が予定通りであれば、夫婦で10月末の「即位の礼」に出席し、小室さんは大嘗祭に出席していたことだろう。
《女性皇族が結婚後も皇籍に残る「女性宮家」を容認する案が浮上している。早ければ14、15両日の大嘗祭後に検討を始める方針だ》(時事通信ニュース)
政府の方針が9日、そう報じられた。御代がわりの中心儀式である大嘗祭が終わった今、次世代の皇室の仕組みについての議論が本格的に動き出そうとしている。
「現行のルールでは、女性皇族は結婚すると皇籍を離脱し、その後は原則的に皇室の公務から離れます。しかし、平成以降に生まれた皇族は、秋篠宮家の長男・悠仁さまを除いては全員が女性のため、皇族の減少が避けられず、皇室の活動の維持が難しくなってきていました。
そこで、女性皇族も結婚後、宮家(皇族の一家)をつくり、皇室に残ることができるようにする制度が『女性宮家』です。しかし、安倍政権下で容認論が高まったのは初めてのことで、驚きが広がっています」(前出・皇室記者)
7年前に民主党の野田政権が女性宮家創設を打ち出したが、安倍政権に交代してから構想はストップ。ここにきて議論が急加速しそうな理由の1つは、安倍首相の野心だ。
「総理には、約200年ぶりの生前退位とそれに伴う即位の関連行事をスムーズに進めたという自負があるようです。儀式を目の当たりにして、国民の皇室への関心は非常に高まった。これを機に、総理自ら、“皇室の改革”を主導したいという気持ちが出てきたようです」(官邸関係者)
もう1つの理由は、皇族方の思いだ。
「皇族の減少という問題は、上皇上皇后両陛下にとって長年のお悩みでした。両陛下は国民と接する機会である『公務』を非常に大切にされてきました。かつて女性宮家創設についての議論が高まりを見せると、近しい関係者に安堵の表情を見せられたといいます。それだけ両陛下は女性宮家創設が将来の皇室にとって大きな意味を持つものだとお考えだったのでしょう」(宮内庁関係者)
※女性セブン2019年12月5・12日号