『ドクターX』(テレビ朝日系・以下テレ朝)第5話の放送時間は、サッカーW杯アジア2次予選「キルギス対日本」(TBS系)の生中継にぶつかった。それでも15.9%という高視聴率をキープし、“視聴率女王”の貫禄を見せつけた米倉涼子(44才)。今クールのドラマで『ドクターX』は断トツの視聴率で独走している。
しかし、テレ朝関係者は晴れやかとはいかないと言う。
「天海祐希さん(52才)が来年1月スタートの日本テレビ(以下日テレ)の連続ドラマ『トップナイフ』に主演することが決まり、そろそろ撮影が始まろうとしています。
今春の『緊急取調室 第3シリーズ』(テレ朝系)で高視聴率を稼ぎ出した天海さんは、テレ朝にとって、米倉さんと並ぶ“ツートップ”の1人。それを日テレに奪われたのですから、心中、穏やかなはずがありません」
『トップナイフ』の演出は、天海の主演で大反響を巻き起こした『女王の教室』(2005年、日テレ系)を担当した大塚恭司氏で、天海とは気心が知れた仲だ。
「天海さんが日テレのドラマに出演するのは5年ぶりです。日テレ幹部が何度も天海さんのもとに足を運んで、出演を説得し、待遇面も含めて、まさに三顧の礼で天海さんを迎えたそうです」(日テレ関係者)
人気女優の天海が他局で主演することは珍しくないが、テレ朝関係者が気にしているのは『トップナイフ』の内容だという。天海が演じるのは天才脳外科医役。『ドクターX』と同じ医療ドラマのうえ、役柄的にも米倉とかぶる。
「テレ朝としては、医療もので『ドクターX』と比べられるようなドラマになるのは面白くないという気持ちがあるでしょう。シリーズ化でもされたら、米倉さんのライバルのように見られるわけですし、わざわざ似たような役のドラマを業界を代表する女優ツートップがやる必要はないのではないかという思いもある。一方の日テレとしては、視聴率争いでテレ朝は最大のライバル。天海さんを日テレ側に引き寄せたい思いもあるのかもしれません」(別のテレビ局関係者)
日テレに“追い風”になりそうな出来事も。来春スタートのNHKの朝ドラ『エール』の脚本家降板劇だ。
「『トップナイフ』の原作者で、脚本も担当するのが、『エール』を降板した林宏司さんなんです。『医龍』『コード・ブルー』などの人気医療ドラマを何本も手掛けてきた売れっ子です。
朝ドラは撮影が前もって進行するので、連ドラと並行させるのは相当ハード。日テレとしては、林さんに『トップナイフ』に専念してもらえるのは超ラッキーでしょう。林さんと天海さんはドラマ『BOSS』(フジテレビ系)でタッグを組んだこともある。日テレ制作陣は“『ドクターX』を超える作品を作ろう”と意気込んでいるようです」(前出・日テレ関係者)
昨年まで5年連続で年間視聴率3冠を獲得している日テレと、ドラマが好調でその日テレを激しく追い上げている2位のテレ朝。激しい代理戦争はさておき、“天海vs米倉”見どころたっぷりのドクター対決が楽しみだ。
※女性セブン2019年12月5・12日号