国際情報

NHKが林鄭月娥氏の名を「蛾」に誤植、香港人に大ウケ

腹の「虫」が収まらない?(NHK『ニュースウオッチ9』より。マークは編集部で加工)

 政府への抗議活動で緊張が高まる香港では、香港理工大に立てこもった学生らと警察の間で激しい衝突が続いた。その緊迫のなかで学生たちを支持する香港市民の間で“喝采”を浴びた日本メディアがあった。NHK『ニュースウオッチ9』が、香港の抗議デモについて報じた映像だ。

 同番組は11月11日、香港の林鄭月娥(りんていげつが)・行政長官が、激化する反政府デモについて「香港を破壊しようとする暴徒たちに厳しく言いたい。あなたたちが政治的な要求を手に入れることは絶対にできない」と厳しい表情で語った会見を放送した。

 中国側の主張を報じた内容にもかかわらず、デモ支持派が注目した理由は「字幕」にあった。長官の名前が「林鄭月蛾」と誤表記されていたのだ。それも画面下部と右側の字幕の2か所で、かつて“鉄の女”と呼ばれた香港政府トップの行政長官を、「蛾」呼ばわりしてしまったのである。

 番組終盤で桑子真帆アナが謝罪したが、日本ではさほど話題にならなかったこの失態が、香港で意外な反響を呼んでいた。香港で日本語教師をしている香港人男性(40代)が言う。

「香港人の間では『女(偏)』を『虫』にしてしまった誤字が大ウケしているんです。ネットにはNHKの画像を使って、林鄭氏を蛾のように加工して、殺虫剤を噴きかけているようなコラージュ画像が出回っています。そもそも香港の抗議者たちが求めていた五大要求の一つが林鄭氏の辞任でした。林鄭氏が市民から反感を買っているなかだったので“日本の国営放送がよくやってくれた”と話題です」

 香港での反響についてNHKは、「原因は字幕を入力する際のミスで、こうしたミスが起きないよう再発防止に努めてまいります」(広報局)とのこと。

 国内の報道では“政権寄り”と揶揄されるNHKだが、香港では反政府側の信頼を得たようだ。

※週刊ポスト2019年12月6日号

関連記事

トピックス

自民党の総裁に選出された石破茂氏(写真/時事通信フォト)
石破茂首相誕生で女性天皇に関する議論が急加速か “ストッパー”だった麻生太郎氏は実権のない名誉職となり影響力低下 
女性セブン
カニエ(左)とビアンカ・センソリ(右)(Getty Images)
「ほぼ丸出し」“過激ファッション”物議のビアンカ・センソリが「東京移住計画」ラッパーのカニエ・ウェストと銀座に出没、「街中ではやめてくれ」の指摘も
NEWSポストセブン
井上ひさし作の“ほぼ一人芝居”に挑む内野聖陽
【密着】内野聖陽が挑戦する“ほぼ一人芝居”『芭蕉通夜舟』「難しい役であるうえ、逃げ場がない。緊張感は複数人でする芝居の比じゃないです」
週刊ポスト
Snow Manの渡辺翔太と向井康二
《Snow Man渡辺翔太&向井康二》“なべこじコンビ”のサウナ帰り姿をキャッチ 肩を組んだり輪になって話したり“素”の時間を満喫 
女性セブン
田村家のお正月の風景。左・田村正和さん、右・田村亮さん
《『古畑任三郎』では今までにない自分を》俳優・田村正和さんの知られざる晩年「もうやりきった…」77才で他界した2人の兄を語る弟・田村亮
NEWSポストセブン
手越祐也が『イッテQ』復活
「ノーギャラでも出たい!」手越祐也『イッテQ』復活までの暗闘1600日 降板後も共演者たちとの交流は継続、宮川大輔は復帰を番組に掛け合っていたか
女性セブン
高知県をPRする記者発表会に出席していた広末涼子(時事通信フォト、2014年)
《県の娘》広末涼子を地元が熱烈バックアップ 高知新聞は「地元が復帰のきっかけになれば」「東京の方とは違う目線で見ている」
NEWSポストセブン
3月末で解散した尼神インター(時事通信フォト)
《解散して仕事減った》苦境打ち明けた「尼神インター」衝撃解散から半年の現在、美を追求する誠子と改名した渚の“距離感”
NEWSポストセブン
東京駅構内を歩くNumber_iの平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太
Number_iの平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太を東京駅でキャッチ 仙台公演から帰京、隠しきれぬオーラに黄色い歓声がこだま 
女性セブン
“韓国遠征”を報告する「スタナン一家」(現在削除済み、画像提供:あっちゃん @8nyn10)
《女攻略のために韓国遠征行ってきます》“ナンパ師グループ”の「SNSで性的画像投稿」が国内外で物議 グループは「無期限活動自粛」も、韓国メディアは「取材を進めている」
NEWSポストセブン
大谷翔平(写真/ロサンゼルス・ドジャース公式Xより)
《愛犬と同伴出勤》大谷翔平、初のポストシーズンはデコピンを散歩させながら球場へ 上下ジャージでリラックスモード撮 
女性セブン
女性弁護士のスーサナさん(時事通信フォト)
《左足首を鎖でつながれて》ハマスの人質だった女性弁護士「ベッドに引きずられ…」「彼は下着姿でやってきた」子供部屋で監禁され…性的暴行を告発【音楽フェス襲撃から1年】
NEWSポストセブン
【ドル円週間見通し】ドルは底堅い値動きか 米利下げぺース減速の思惑残る
【ドル円週間見通し】ドルは底堅い値動きか 米利下げぺース減速の思惑残る
マネーポストWEB