栃木県足利市に“奇跡の保育園”と呼ばれる認可保育所がある。その名も「小俣幼児生活団」。園児は、自ら考え決断できる、自立した子供に育つと評判で、入園希望者が絶えない。92才の現役保育士として、同園で働く大川繁子さんに36才・会社員の母親が子育てについての質問を投げかけた。
「シングルマザーのため、家事に仕事に忙しく、5才の息子にはつい、ゲームやスマホを与えて、ひとりで遊ばせてしまいます。おとなしくしてくれるので、私としては正直楽で…。ゲームは集中力が養われるとも聞きますが、やはり子供に悪影響を与えますか?」
大川さんはこう答える。
「料理をしている時、ちょっと静かにしていてもらいたい時にゲームやDVDを見てもらうと助かりますよね。でも、なるべく見せっぱなしにはしないで、せめて1日2時間までにして、ほかの時間ではなるべく会話をしてあげてほしいの。
以前、“子供が全然しゃべらない”と相談されたことがありました。聞けばそのお子さんはゲームが好きで、自宅でも通園中の車内でもひたすらゲームをしていて、親子の会話がないのだとか。
そこで、“ゲームはやめさせて、たくさん話しかけて”とお願いしました。お母さんはすぐ実践してくれ、その2か月後、お子さんは人が変わったようにお話をするようになりました。言語能力は、親子の会話で養われるんです」
※女性セブン2019年12月5・12日号