総理主催の「桜を見る会」は、社会に功績のあった人を首相がねぎらうために開催される。そうであれば、安倍晋三首相の後援会や支持者が大量に招待されたことは何ら不思議なことではないのかもしれない。
「皆さんと共に政権を奪還して、7回目の『桜を見る会』であります」
安倍氏は今年4月の同会でそう挨拶し、昭恵夫人も、「これからも主人を応援していただくようお願いします」と招待者に頭を下げた。
安倍夫妻にとっては安倍政権を支持し、選挙で応援してくれた支持者こそが、「社会に功績のあった人々」なのだ。その結果、いまや桜を見る会は、一般人から芸能・スポーツ界、反社会的勢力まで参加する異様な安倍応援団への“大感謝祭”へと変貌した。
その舞台裏と人脈を追うと、安倍首相が憲政史上最長の政権となった陰に、首相直属の “宣伝工作部隊”があることが浮かんできた。
一つは人脈だ。本誌・週刊ポスト前号では、首相官邸と芸能界をつなぐ窓口とされるI氏の存在を報じた。本人のフェイスブックには、ダンディな中折れ帽をかぶったI氏が桜を見る会で芸能人と一緒に写った数多くの写真がアップされていた(現在は削除)。芸能プロダクション経営者はこう語った。
「Iさんが芸能関係の招待者リストを取りまとめて内閣府にお願いし、招待状が送られるという流れ。芸能界から五輪のメダリストまで広い人脈を持つ人物です」
I氏のフェイスブックにはつい最近まで「国民政治協会組織部部長代理」の肩書きが掲載されていた。