この年限りで指導者としても身を引いた浜崎は昭和40年代後半、銀座で宝石商に従事する。その頃、戦後生まれの小兵が球界を賑わせる。“小さな大打者”と呼ばれた168cmの若松勉(ヤクルト)は2年目の昭和47年に首位打者を獲得。浜崎が野球殿堂入りを果たした昭和53年にはチームを初の日本一に導き、MVPに輝いた。169cmの福本豊(阪急)は昭和45年から13年連続盗塁王に。その記録をストップしたのは、浜崎が逝去した昭和56年に入団した166cmの大石大二郎(近鉄)だった。
どの時代も小兵はプロ野球を盛り上げてきた。しかし、浜崎を超える鉄人は今後も現われそうにない。
※週刊ポスト2019年12月13日号