韓国のアイドルグループKARAの元メンバー、ク・ハラ(28)の自死から10日が過ぎた。韓国では自死に至る経緯(元交際相手によるリベンジポルノ問題)などをめぐり、現在も議論が紛糾している。歴史作家の島崎晋氏が、現代韓国にも根強い儒教文化との関連を考察する。
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「ク・ハラが自殺」──その第一報を目にしたとき、多くのK-POPファンが驚いたに違いない。今年6月に日本の芸能プロダクションと専属契約を結び、11月13日にはファースト・ソロアルバム『Midnight Queen』をリリース。翌14日の福岡に始まり、15日に大阪、17日に名古屋、19日に東京での公演を終え、一時帰国した矢先の出来事であった。
それに加え、ク・ハラの自殺より42日前には親しくしていたf(x)の元メンバー、ソルリが自殺をしており、3歳年長のク・ハラは訃報に接した直後、ソーシャル・メディア上にソルリとハグして目を閉じている写真を掲載し、「姉さん(ク・ハラ)があなた(ソルリ)の分まで一生懸命生きるから」と書き込んでいた。誓いを宣言してまもない自殺とあれば、ファンのあいだで当惑が広がるのも無理はない。
ク・ハラを精神的に追い詰めたそもそものきっかけは、元交際相手とのトラブルにあったと指摘されている。相手も人気アイドルグループのメンバーであったことから、相手側ファンによるネット上での誹謗中傷がいつまでもやまず、今年の3月に眼瞼下垂の手術をした際も「二重まぶたの手術、なぜまたしたの?」「目つき矯正じゃないの?」といった書き込みが多くなされた。
眼瞼下垂とは、瞼を押し上げる筋肉の力が弱まって上瞼が下がる症状のことで、矯正・切除手術などによって治療することが多く、整形とは異なる。かつて整形疑惑が浮上した際も彼女は眼瞼下垂の手術をしたことを堂々と明かしていたから、再び持ち上がった疑惑の声に「またか」という思いでいたに違いない。
プロ意識の強い彼女は、「管理の重要性! 顔のバランスが合ってこそ、エネルギーが出るタイプ」「10年たゆみなく童顔の管理を受けてきた私の健康運動の一つ」といった書き込みに加え、毎朝マスクパックを欠かさない様子や脊椎の矯正、顔の非対称の矯正などを目的としたマッサージを受けている様子なども公開していたから、それらの努力を完全スルーしての悪質コメントに怒りを通り越して、絶望感さえ抱いた可能性もある。