国際情報

元KARAク・ハラの自死で考える 韓国に蔓延る空気の正体

ク・ハラの死を悼みソウル市内の病院に設けられた祭壇(AFP=時事)

 韓国のアイドルグループKARAの元メンバー、ク・ハラ(28)の自死から10日が過ぎた。韓国では自死に至る経緯(元交際相手によるリベンジポルノ問題)などをめぐり、現在も議論が紛糾している。歴史作家の島崎晋氏が、現代韓国にも根強い儒教文化との関連を考察する。

 * * *
「ク・ハラが自殺」──その第一報を目にしたとき、多くのK-POPファンが驚いたに違いない。今年6月に日本の芸能プロダクションと専属契約を結び、11月13日にはファースト・ソロアルバム『Midnight Queen』をリリース。翌14日の福岡に始まり、15日に大阪、17日に名古屋、19日に東京での公演を終え、一時帰国した矢先の出来事であった。

 それに加え、ク・ハラの自殺より42日前には親しくしていたf(x)の元メンバー、ソルリが自殺をしており、3歳年長のク・ハラは訃報に接した直後、ソーシャル・メディア上にソルリとハグして目を閉じている写真を掲載し、「姉さん(ク・ハラ)があなた(ソルリ)の分まで一生懸命生きるから」と書き込んでいた。誓いを宣言してまもない自殺とあれば、ファンのあいだで当惑が広がるのも無理はない。

 ク・ハラを精神的に追い詰めたそもそものきっかけは、元交際相手とのトラブルにあったと指摘されている。相手も人気アイドルグループのメンバーであったことから、相手側ファンによるネット上での誹謗中傷がいつまでもやまず、今年の3月に眼瞼下垂の手術をした際も「二重まぶたの手術、なぜまたしたの?」「目つき矯正じゃないの?」といった書き込みが多くなされた。

 眼瞼下垂とは、瞼を押し上げる筋肉の力が弱まって上瞼が下がる症状のことで、矯正・切除手術などによって治療することが多く、整形とは異なる。かつて整形疑惑が浮上した際も彼女は眼瞼下垂の手術をしたことを堂々と明かしていたから、再び持ち上がった疑惑の声に「またか」という思いでいたに違いない。

 プロ意識の強い彼女は、「管理の重要性! 顔のバランスが合ってこそ、エネルギーが出るタイプ」「10年たゆみなく童顔の管理を受けてきた私の健康運動の一つ」といった書き込みに加え、毎朝マスクパックを欠かさない様子や脊椎の矯正、顔の非対称の矯正などを目的としたマッサージを受けている様子なども公開していたから、それらの努力を完全スルーしての悪質コメントに怒りを通り越して、絶望感さえ抱いた可能性もある。

関連記事

トピックス

9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
オンラインカジノを利用していたことが判明した山本賢太アナウンサー(ホームページより)
フジテレビ・山本賢太アナのオンラインカジノ問題で懸念される“局内汚染”「中居氏の問題もあるなかで弱り目に祟り目のダメージになる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン