予約キャンセルに騒音トラブル、立ち小便まで、同じ行為をしながら“書類送検や逮捕される人”と“書類送検や逮捕されない人”という微妙な「境界線」が存在する。これらの線引きはどこにあるのだろうか?
過去には芸能人が送検されたケースもある。2017年2月、タレントの松本伊代と早見優はJR山陰線の線路に立ち入ったとして、京都府警に鉄道営業法違反の疑いで書類送検された。
松本が早見と2人で線路上を歩く写真をブログに投稿し、それを見た市民の通報がきっかけだった。危険を伴う線路立ち入りは、当然責められるべき行為だが、送検されるほどのケースだったのか。元検事で弁護士の田中喜代重氏が解説する。
「有名人が線路内に立ち入っている写真をブログに上げたことを許してしまうと、模倣する人が出る恐れがある。それを防ぐため、いわゆる“見せしめ”として世間にアナウンスする意味合いがあったのでしょう」
駅のホームで線路上にモノを落とした時や、“開かずの踏切”を待ちきれずに線路内に立ち入れば、それは鉄道営業法違反の可能性がある。身を危険に晒すだけでなく、鉄道事業者や多数の利用者に迷惑がかかる行為は厳に慎むべきだ。
※週刊ポスト2019年12月13日号