主演はロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ、監督はマーティン・スコセッシという、往年のファンが歓喜する最新マフィア映画『アイリッシュマン』が話題だ。そこで本誌・週刊ポストは読者1000人に「好きなマフィア映画」のアンケートを実施した。
海外のマフィア映画で圧倒的な支持を集めて1位になったのは、イタリア系マフィアの「ドン」を主人公にした『ゴッドファーザー』(1972年)だ。
「主人公を演じたアル・パチーノはもちろん格好良いが、ドン・コルレオーネ役のマーロン・ブランドのもの静かで凄味のある演技にシビれた」(67歳無職)
映画評論家の秋本鉄次氏が語る。
「マフィア映画をファミリーものとして捉え、『家族としての犯罪組織』という視点で描いたのは画期的」
秋本氏によれば、『ゴッドファーザー』は日本のヤクザ映画にも多大な影響を与えたという。
「この映画のヒットを受けて、東映の岡田茂社長(当時)が『日本版マフィア映画をやれ!』と号令をかけたのは有名な話です。そうして生まれたのが『仁義なき戦い』。高倉主演、降旗康男監督の『冬の華』(1978年)も、『ゴッドファーザー』に影響を受けた作品として知られています」