「朝はやっぱり和食」という人が気をつけるべきは「塩分の摂りすぎ」だ。日本を含む世界145か国以上から3600人を超える専門家が参加した「世界の疾病負担研究(GBD)」という国際研究チームが、1990年から2017年まで350種類以上の病気やけがによる死亡・障害についてのデータを収集・分析した。この研究では、2017年に全成人の5分の1にあたる約1100万人が「不健康な食事」で亡くなったと指摘した。
これらの死者の半数以上が「塩分の摂りすぎ」「全粒穀物不足」「果物不足」という3つの危険因子によると同研究は指摘している。元ハーバード大学研究員で、ボストン在住の内科医である大西睦子医師が指摘する。
「日本人に関しては、『最も死亡に影響した食生活は塩分の摂りすぎ』と報告されました。日本人は食事による心血管系疾患と2型糖尿病の死亡が世界中で際立って少ない一方、がんの死亡は非常に多かった。塩分過多の日本人の食生活ががんに影響したと考えられます」
「ご飯、味噌汁、焼き魚」は和食の定番だが、気になるのは塩分だ。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子氏は時間栄養学の観点から「朝食よりも夕食のほうがよい」と指摘する。
「朝は、塩分を排泄する腎臓の働きが活発ではなく、味噌汁や焼き魚などの高い塩分が体に蓄積されやすい。腎機能は午後6時過ぎから活発になるので、塩分の多いメニューは朝より夕方に向いている」