ライフ

「1日30品目の食品」の厚労省指針に医師「エビデンスなし」

「1日30品目」と頑張っても…(写真/AFLO)

 健康を保つ食事を考える場合、食材とともに重要なのが食習慣だ。食習慣でまず避けるべき食べ方は、「早食い」だ。福島県立医大の研究グループは今年4月、27都道府県から集計した約20万人分の特定健診のデータを用いて食習慣と病気のリスクを解析した。

 その結果、「早食い」によって糖尿病発症リスクは1.21倍上昇したという。新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦医師が解説する。

「よく噛まずにかき込む習慣を続けると、インスリンの効き目が低下し、結果として食後血糖値が高くなります。また満腹感を得る前にどんどん食べるため、食事量が増えて糖尿病になりやすくなると考えられます」

 日本では多くの食品をバランスよく食べることが奨励される。1985年に厚生省が作成した『食生活指針』では、「健康のために1日30品目の食品を」と提唱され、できるだけ多くのメニューを食事に取り入れようとしている人は多い。

 しかし、この「1日30品目」にはエビデンスがないと岡田医師は指摘する。

「米テキサス大学公衆衛生大学院の研究者らが2000年から2017年までに発表された論文を対象に、食品数と肥満などの関連を調べた分析によると、『数多くの食品を食べることが適正体重の維持につながる』と示したエビデンスはなかったと報告されています。

 それどころか、品目数が多く1品目あたりの量が少ないと満腹感が得られにくく、かえって食事の量が増える恐れがあります。無理に品数を食べようとすることで総カロリーが増え、栄養バランスが乱れて肥満や生活習慣病のリスクが高まる可能性もある。医学的にメリットがない一方で、デメリットが大きいと言えるでしょう」

病気・死亡リスクを上げる「食べ方」

※週刊ポスト2019年12月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン