尼崎市の商店街で自動小銃をぶっ放し、神戸山口組の幹部を殺害したヒットマンは、夕刻の犯行だったこともあって多数の住民に目撃されていた。
目撃者たちは誰もがひどく怯えていた。暴力団同士の殺し合いは実話誌のヤクザ記事によって一種のエンターテインメントとして消費される。が、血と硝煙の匂いが漂う現場にはリアルな恐怖しかない。
「車のバックファイヤーみたいな、パパパパンという感じだった。約5秒おきにパパパパン、パパパパンと10回くらい連続して響いた。最初は物が落ちてきたのか、タイヤがパンクしたのかと思ったけど、途中からおかしいと気付いた」
この目撃者は後日、「(喋ったことが記事になり、暴力団に身元がばれたら)殺し屋に狙われる」と電話してくるほど怯えていた。それほどの惨劇を目の当たりにしたのだ。
勘ぐりすぎと笑い飛ばせない。実際、一般人が巻き添えになる可能性は十分にあった。ヒットマンは弾倉に込めた30発全てを撃ち尽くしている。