ビジネス

東京・町田にシェアオフィスが続々と誕生している理由

「BUSO AGORA」(東京・町田)の内観

「BUSO AGORA」(東京・町田)の内観

「テレワーク」を導入する企業が徐々に増えているが、それに伴い、在宅型テレワークだけでなく、サテライトオフィスやシェアオフィスの需要も伸びているという。神戸国際大学経済学部教授で総務省地域創造力アドバイザーの中村智彦氏が、東京・町田市の共働型コワーキングスペースの新しい取り組みを取材した。

 * * *
 インターネットの普及や働き方改革の広がりにより、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方「テレワーク」が注目を集めている。わざわざ会社に集まらなくとも仕事ができる職種であれば、例えば台風や地震による鉄道の計画運休といった不測の事態や、来年の東京オリンピック&パラリンピックなど交通網の混乱が予想される大型イベント時も焦らずに仕事ができる。

 テレワークには、自宅で働く在宅型、施設利用型、モバイルワーク型の3種類がある。主に起業家やフリーで働く人たちは、インターネットを繋いで自宅で勤務や作業を行うスタイルを選択するケースが多いが、「気分的な区切りがつかない」、「訪問客が来た場合に困る」、あるいは「自宅の住所を広く知られたくない」という人も多い。

 テレワークを導入する企業や、テレワークで働く個人が増加するに従って、こうした悩みも増えているため、サテライトオフィスやシェアオフィスの需要が増加していると言われている。

 IT専門調査会社のIDC Japanが発表した「国内サテライトオフィスの拠点数および施設利用型テレワークについての分析」(2019年6月)によると、2018年の国内レンタルオフィスやコワーキングスペースのサテライトオフィスは887拠点。2020年の東京オリンピック開催に向けた新たな大型商用ビルの開設に伴い、拠点数はさらに拡大すると予測している。

 また、法人向け不動産サービス会社CBRE日本本社が発表した「コワーキングオフィス──新たな働き方のプラットフォーム」(2018年9月)によれば、2018年9月時点で東京都内のコワーキング市場規模は、346拠点で6.6万坪。東京23区の賃貸オフィス全体の面積の1.0%に過ぎないものの、賃貸オフィス成約面積に対するコワーキングオフィス開設面積比率は2018年前半で7.9%に達しており、その存在は大きくなりつつあるという。

 こうしたコワーキングオフィスは、交通の利便性が高く、多くの人が集まりやすい都心部に設けられることが多い。ところが、最近、かつて「ベッドタウン」と呼ばれた郊外の都市にもコワーキングオフィスが設けられることが増えている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン