最終戦までもつれた大激戦の末に、鈴木愛(25)が賞金女王に輝いた今年の女子ゴルフ。全英を制して大ブレイクした渋野日向子(21)はドローボールと強気のパット、攻撃的なゴルフでツアーを盛り上げた。
一方で鈴木のスタイルは対照的だ。今季ツアー7勝の強さを支えるのは安定感だ。ダボも叩くが、すぐにバーディで取り返す渋野が「平均バーディ数」で1位なのに対し、鈴木は「パーセーブ率」が3位(渋野は13位)、パーオンできなかったホールをパー以下でホールアウトする割合である「リカバリー率」が2位(渋野は11位)。状況に応じた絶妙なアプローチで実現できる数字だ。
「ボールを上げる、転がす、掛けるスピンの量、スイング幅など、一流のプレーヤーはアプローチに10種類以上の引き出しがないといけません。鈴木にはそれがあって、渋野にはない。
スロー映像などで見るとわかりますが、鈴木のアプローチはとにかくヘッドアップしないことが徹底されています。これはアマチュアが繰り返し見て参考にしたほうがいいポイントでしょう」(プロゴルファーの沼沢聖一氏)
※週刊ポスト2019年12月20・27日号