インフルエンザに発病した場合、医療機関で薬の処方を受けることになるが、主にどんな薬があるのか。秋葉原駅クリニックの大和田潔医師が言う。
「現在用いられる主な治療薬には、経口薬の『タミフル』『ゾフルーザ』、吸入薬の『イナビル』、静脈注射の『ラピアクタ』などがあります。38.5℃以上の高熱などの症状が出てから、48時間以内に服用し始めれば効果が期待できます」
◆耐性ウイルスが出た「ゾフルーザ」は使うべき?
ゾフルーザは「1回の服用でOK」の手軽さから昨年は治療薬の中で最も多く使われた一方で、薬が効きにくくなる「低感受性ウイルス(※注/ウイルスが薬への抵抗力を持ち、薬が効きにくくなる。耐性ウイルスとも報じられる)」の問題が指摘されている。
11月25日には東大の河岡義裕教授らが、ゾフルーザは低感受性ウイルスが発生しやすく、感染力も通常のウイルスと同程度に強いとの研究結果を発表した。
日本感染症学会は低感受性ウイルスを生じさせるリスクが高い「12歳未満」へのゾフルーザの投与を慎重に検討するよう提言している。日本感染症学会インフルエンザ委員会委員で東京病院統括診療部長を務める永井英明医師の見解はどうか。
「学会のインフルエンザ委員会でも意見が分かれましたが、ゾフルーザには『ウイルスの減少が早い』というメリットがあるのも事実です。昨シーズンは550万人ほどに使用されたが、臨床で大きな問題は起きていない。低感受性ウイルス出現のリスクを知った上で、ゾフルーザを使っても良いと私は考えています」