10年連続完売を記録中の『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート2020』(小学館刊、定価500円)の著者・細野真宏さんが、読者の悩みを直接解決します。
2019年も『家計ノート』の読者ハガキが全国から何百枚も届いており、丹念に1枚1枚読んでいると、赤字で「細野先生、助けてください!」という文字が…。
◆収支を考えるかどうかで600万円も差が出る!
【大阪府在住のNさん(50才)のケース】
細野:まずハガキの「助けてください」という切実な状況は、具体的にどのような状況なのでしょうか?
Nさん:私は細野先生の経済の本とかずっと読んでいて『家計ノート』も10年になりますが、書くことで満足をしているようで、なかなか貯金ができないんです…。
細野:なるほど。でも『家計ノート』で毎日手書きで、出費を書いていれば、自分の行動が見えるようになって、自然と行動が意識できるようになっていませんか?
Nさん:はい。『家計ノート』をつけ始めてからレシートをキチンと見るようになったので「底値」がわかるようになったんです! だから、随分と買い物は上手になれたつもりです。あとは、消費税増税の時に、むやみに買いだめをしなくなったりと冷静に買い物ができるようにもなれました。前回の消費税8%の時は、つい箱買いをしていました。
でも、消費税の値上げ分って、思っていたより大した金額ではなかったんですよね。それに箱買いだと保管場所も取りますし、何より消費期限もあります。だから、実は「底値」を狙って、必要な量を買うのが一番いい買い物だとわかって。
細野:流石じゃないですか! でも、そんなに買い物上手になれたのに、どうしてお金が貯まらないのでしょうか?
Nさん:それが不思議で…。結婚20年で子供がいなくて共働きなので、普通よりお金は貯めやすいはずなのです。
細野:Nさんは『家計ノート』を10年もつけているとのことですが、キチンと収支を計算していますか?
Nさん:あ、そこだけやってなくて…。毎日の買い物を書き出すので終わってます。
細野:やはりそうですよね。家計簿をつける意味は、大きく2つあって、1つ目は毎日の買い物を書き出して、自分の行動を「見える化」すること。そして、もう1つが収支を計算することで、「どこに無駄があるのかを把握して、目標を決める」こと、なんです。ちなみに、Nさんのお住まいは賃貸ですか、購入ですか?
Nさん:ちょうど今ローンを組んでいて、確か35年ローンで、毎月約5万円を75才まで払う予定になっています。
細野:75才までのローンですか? たいていは定年前に終わる形でローンは組むものなのですが、チャレンジャーですね(笑い)。
Nさん:毎月の支払いが5万円くらいなら、どうにかなるのかな、と思って(笑い)。
細野:その住宅ローンは、固定金利ですか? それとも、変動金利ですか?
Nさん:確か、変動金利だったと思います。安いので。
細野:なるほど、やっとNさんの家計が見えてきました。決して脅かすつもりはないんですが、Nさんは本当に今から25年後も毎月5万円を払えば済むと思っていますか?
Nさん:え、違うんですか?