中国の習近平国家主席はマカオ返還20周年記念日に当たる12月20日、記念式典に出席するため、マカオを訪問することが明らかになった。マカオに隣接する香港では6月から激しい反政府デモにより警官隊とデモ隊が激しく衝突するなど混乱が続いており、習氏は隣接するマカオから香港の反中派グループをけん制する狙いもある。
米国を拠点とする中国問題専門ニュースサイト「博聞ネット(中国語版)」によると、マカオでは12月に入って、香港などからフェリーが到着するフェリー乗り場の警戒が厳重になり、一目で私服警官とわかる目つきの鋭い背広姿の男性らの姿が目立っているという。
税関には反中的な言動が目立つ民主化活動家やメディアの記者らのブラックリストが用意されており、博聞ネットアジア支局勤務の米国籍の記者の入境が拒否されたという。
中国では香港やマカオに親戚がいる者に対しては、香港マカオ入境許可証を発行しているが、中国公安省は11月23日から12月22日までの1か月間は許可証を一時的に無効にするとの措置をとると発表しており、マカオはこの期間中、実質的に封鎖状態となる。
また、マカオ特別行政区政府民航局はマカオ返還記念日を含む今年12月14日から22日までの9日間、マカオ全域でドローンの使用を禁止すると通達を発表。これに反した場合、違反者には2000~2万マカオパタカ(日本円換算:約2万7000~27万円)の罰金が科されるという。
返還20周年イベントを安全に実施するための措置で、マカオ全域でドローンの使用禁止措置が講じられるのは今回が初めて。
「これだけ厳しい措置が実施されるのは、習氏の暗殺を警戒しているため」と博聞ネットは報じている。