映画デビュー作『蜜蜂と遠雷』で天才ピアニスト役を演じ、報知映画賞など数々の新人賞受賞やノミネートが続く俳優界の新星・鈴鹿央士(すずか・おうじ 19才)。まるで子犬のような愛らしい瞳をキラキラ輝かせる。
「『蜜蜂と遠雷』は何もかもが初体験でした。当時のぼくは芸能界のことを何も知らずに飛び込み、目の前のすべてが新鮮でワクワクが止まらなかった! あのまっさらで天真爛漫な役はあの時の自分だからこそできた気がします」(鈴鹿・以下同)
もともと芸能界を夢見る少年ではなかった。高校2年生の時、通っていた学校で偶然映画の撮影があり「芸能人に会いたい」とエキストラに参加。そこで“運命の出会い”が。映画に出演していた広瀬すずの目にとまりスカウトされ、高校卒業後、芸能界に飛び込んだ。
「ドラマはテレビの向こうの世界、映画は劇場で見るものだったので、まさか自分がこうしてお芝居をするなんて想像もしていなくて自分でもびっくりしています」
大人気ドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』(テレビ朝日系)では飛行機の整備士を演じている。
「衣装のつなぎは、エンジニアの父の仕事着なので見慣れていました。色も少し似ていて、どこか父を感じながらこのブルーのつなぎを着ています。整備士は責任が大きい仕事なので、それが伝わるよう空回りしても気合を込めてお芝居しています。今日の撮影は緊急事態が発生して全力で突進して絶叫。あんなに激しい予定ではなかったのですが、完全にスイッチが入っちゃいました(笑い)」
カットがかかると仰向けに倒れるほど体当たりの演技をみせたかと思えば、ピョンと起き上がって「楽しかったぁ」と笑う無邪気な一面も。
別の日は専属モデルを務める『MEN’S NON-NO』で早朝から夜までのタフな現場でも「楽しいです!」と声を弾ませていた。溢れる好奇心を胸に2020年1月には20才の誕生日を迎える。
「いろんな場所へ出かけて、いろんな経験をして、さまざまな視点で物事を考えられるようになりたいです。そしてその考えを自分の言葉や行動にして、きちんと相手へ伝えられる人に憧れます」
少年と大人の狭間で、10代最後の鈴鹿央士の夢は膨らみ続けている。
【プロフィール】
鈴鹿央士/すずか・おうじ。2000年1月11日生まれ、岡山県出身。2018年にファッション誌『MEN’S NON-NO』専属モデルオーディションでグランプリを獲得。ドラマ『なつぞら』(NHK)や『おっさんずラブ -in the sky-』(テレビ朝日系)、映画『蜜蜂と遠雷』、『決算!忠臣蔵』にも出演し俳優としても活躍中。
撮影/カノウリョウマ
※女性セブン2020年1月1日号