経営再建中の大塚家具が家電量販店大手、ヤマダ電機の傘下入りを表明した。第3者割当増資を行い、43億円を調達。ヤマダ電機は過半数の株式を取得するという。大塚久美子社長はそのまま続投することになっているが、これまで経営権を巡って激しい親子ゲンカを繰り広げたり、業績を悪化させたりと経営手腕に疑問符がついてきただけに、今後の進退は不透明だ。果たして“家具屋姫”の運命は? 経済ジャーナリストの松崎隆司氏がレポートする。
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ヤマダ電機の山田昇会長と大塚家具の大塚久美子社長は12月12日午後5時に都内で記者会見を開いたが、会見場に入ってくると、お互い目線を合わせないように振る舞っていたのが印象的だった。
久美子社長は真っ赤なスーツを身にまとい登場。記者から「いつも白い衣装なのに今日だけなぜ赤い衣装なのか」との質問が飛び出すと、「中は白ですよ」とスーツの中の衣装を強調。「明るい気持ちでやりたいなぁと思って赤を選んだ」と心境を吐露した。
さらに久美子社長は今回の資本提携について、「家具の提供だけでなく、顧客の目線で生活提案できるようにしたいと考え、提携を決めました」と語ったが、それがホンネではないことは明確だ。
大塚家具は大塚勝久氏が創業した高級家具販売会社だったが、2014年ごろから娘の久美子社長と対立が表面化、2015年3月の株主総会で勝久氏が取締役を解任されたことから久美子社長が実権を握った。
その後、久美子社長は独自の経営戦略を展開するが業績悪化を続け、2016年からは営業赤字が続き、それまで無借金経営で2015年12月には110億円あった現金が2019年第3四半期には22億円まで減少。今年いっぱいで運転資金も底をつくのではないかといわれていた。