芸能

立川志らくが厳選 『男はつらいよ』寅さんの人情名セリフ

噺家役で登場する立川志らく(右)とケアセンター職員役の林家たま平(中央)。第42~45作と48作に出演した後藤久美子(左)は今作で23年ぶりに女優復帰した(C)松竹株式会社

“私生まれも育ちも葛飾柴又です 帝釈天で産湯を使い 姓は車 名は寅次郎 人呼んでフーテンの寅と発します”――。日本中を笑いと涙に包んだ、国民的映画シリーズの最新作『男はつらいよ お帰り 寅さん』が2019年12月27日から全国で公開される。第1作の公開から50周年、50作目となる記念すべき“寅さんイヤー”がやってくる。

「寅さんがスクリーンに帰ってくるなんて想像すらしていなかったです。やっぱり寅さんのいない世の中はつまらない! 帰ってきてくれて少し楽しくなりました」と話すのは最新作にも出演し、全49作を3回ずつ一気に観るほど寅さん愛に溢れ、“寅さん博士”の異名を持つ落語家の立川志らく(56才)だ。「日本人の“正解”がこの作品には詰まっています。1作目から50年という時間の経過を全く感じさせない楽しい映画です」(志らく)。

 そこで、寅さんシリーズの中から、その温かい人柄がにじみ出ている人情あふれるセリフ&名場面ベスト5を志らくに選んでもらった。

◆第1位
「それを言っちゃおしまいよ」 『男はつらいよ』(第1作、1960年)

 父親との喧嘩で16才の時に家を飛び出した寅さんが、20年ぶりに柴又に帰郷。旅先で御前様の娘・冬子(光本幸子)と再会し恋に落ちた寅さんが、冬子と一緒にくるまやに顔を出す場面。

「寅さんと言えばこのセリフ。さまざまな場面で使われていて、欧米人のWHY?が通用しないすごさがある」(志らく)

◆第2位
「手前さしずめインテリだな」 『続 男はつらいよ』(第2作、1969年)

 中学時代の恩師とその娘に再会し酒を酌み交わすが、胃けいれんを起こし入院。退屈な入院生活から、山崎努演じる若い医者と言い争いに。

「高学歴の医者と口論になった時のセリフ。理屈ばっかり言いやがってという思い半分、寅さんはそんなインテリのことも尊敬し応援してあげるのです」(志らく)

◆第3位
「ほら、見な、あんな雲になりてえんだよ」 『男はつらいよ 柴又慕情』(第9作、1972年)

 金沢へ旅に出た寅さんはそこで出会ったOL3人組と北陸観光することに。そのなかの1人、歌子(吉永小百合)に心惹かれる。

「歌子に失恋し旅に出る寅さんがさくらに言うこのセリフに、寅さんの人生哲学が詰まっている。寅さんが消えた現代でも、雲になって日本を見ているはず」(志らく)

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