テレビやメディアの報道だけでは、有名人の本当のパーソナリティはわからない。当たり前のことだが、よく見かける姿に惑わされがちだ。お笑いコンビ千原兄弟の兄、千原せいじに対する大雑把なイメージは「さえないおっさん」ではなかろうか。ところが、実際にはかなり女性にモテているらしい。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、YouTuber千原せいじのトーク力から、本当にモテる男のあり方について考えた。
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キングコングの梶原雄太が「カジサック」名義でYouTuberとなり大成功を掴んだ。以降、「二匹目のドウジョウ」を狙う吉本芸人が続々とYouTuber化している。数ヶ月前まで芸人とYouTuberには明確な差があり、前者が後者に勝る存在だと認識していた人は多いと思う。しかし、二足の草鞋を履く芸人が増加した現在、その差は曖昧になる一方だ。
芸人YouTuberは、特技を披露したり、テレビに似た企画を行ったり、と様々な趣向を凝らした動画を配信している。その中でも異彩を放つのが千原兄弟の兄・千原せいじがメインを務めるチャンネル『きいたんやけどおじさん』。「井戸端会議バラエティー」と称したチャンネルでは毎回「きいたんやけど……」を枕詞に千原せいじが各所から仕入れた話を披露していく。端的に表すと「陰謀論めいた話で盛り上がろう」といった趣旨の動画である。
11月21日に配信がスタートし、12月10日までに6本の動画が公開されている『きいたんやけどおじさん』。その全てを鑑賞したが、特に記すべき点はない。ただ、動画を観ているうちに、千原せいじがなぜモテるのか……が図らずも見えてきた。動画には、わずか半年で2度も不倫騒動が表沙汰になった芸人の生き様が刻印されていた。
まず、最初に観えてきたのが千原せいじのコミュニケーションセンスの高さである。