国内

“草津セクハラ騒動”に学ぶ 身に覚えのない嫌疑への対処法

立証責任は「された」と訴える側にあるというが…

 のどかな温泉街に激震が走ったのは今年11月。群馬県草津町の町議だった新井祥子氏が電子書籍や記者会見で、過去に黒岩信忠町長と町長室で性的関係を強要されたと告発したのだ。草津町の黒岩氏といえば、草津温泉の観光客数をV字回復させた名物町長であるだけに、地元は揺れた。

 当の黒岩町長はこの証言に真っ向から反論。12月2日の町議会本会議では、新井氏ら2人が町長の不信任決議案を提出したが、賛成2、反対9で否決。逆に新井氏が「破廉恥で、議会の品位を傷つけた」とされて懲罰の対象となり、町議会は除名を求める懲罰動議を賛成10、反対1で可決し、新井氏は議席を失った。

 泥仕合の様相を呈している「草津セクハラ騒動」だが、事の真相はさておき、もし自分が身に覚えのないセクハラの疑いをかけられた場合、どのように対処すべきなのだろうか。そもそも「セクハラ罪」というものはなく、刑法の「強制わいせつ罪」や「強制性交等罪(旧強かん罪)」に該当するかどうかが問題となる。

 セクハラ・パワハラ問題を多く扱った経験のある「あやめ法律事務所」所長の神坪浩喜弁護士に対処法を聞いた。

「身に覚えがないなら身の潔白をはっきり訴えること。立証責任は、セクハラをされたと訴えたほうにあります。証拠の提出を求め、その証拠に対して釈明する。たとえば、メールの内容がセクハラだと指摘されたら、“こういう意図があった”と事情を説明することです」

 もし嫌疑をかけられたことで名誉を傷つけられ、反論しただけではその名誉が回復できそうにないときは、名誉棄損として告訴することができる。そして、名誉棄損に当たるかどうかはセクハラの事実があったかどうかがポイントになるから、この場合でも立証責任はセクハラをされたと訴えたほうにある。“ない”ことを立証することはできないからだ。

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