「サクラ」と「忖度」、この2つの言葉が並べば、おのずとあの“桜”が連想される。招待客の選考基準や首相枠、名簿の消却など、“疑惑の花”が満開となっている安倍晋三首相主催の「桜を見る会」だ。
森友学園問題や加計学園問題で話題になった“忖度”が、今回もあちらこちらで垣間見えている。官僚たちの答弁は的を得ず、不都合なものは次々に消されていく。安倍首相も菅官房長官も「問題はなかった」「適切だった」という主旨の答弁を繰り返し、二階幹事長からは「大体こういうことであったというのがほぼ皆に分かっただろうと思うから、これで結構じゃないかと思っている」という発言も飛び出した。これこそ、政権内に漂う同調圧力に忖度する姿ではないだろうか。ドラマの中のサクラがまっすぐであればあるほど、連日報じられるこうした現実とのギャップを感じずにはいられない。
『同期のサクラ』は12月18日が最終回。亡くなった「じいちゃん」が、最後にサクラに送ったFAXには、「桜は決して枯れない たとえ散っても必ず咲いて 沢山の人を幸せにする」と書かれていた。忖度できないばかりに傷だらけとなったサクラが、復活してじいちゃんの言葉通り花を咲かせることができるのかが注目となる。一方、桜を見る会の“疑惑の花”は、さっさと散って二度と咲かないで欲しいものだ。