もはや春画は図録や美術雑誌で眺めるだけのものではない。江戸の絵師や彫師、摺師が職人技で創りあげた名作・傑作が数万円から手に入る時代になってきた。日本が生んだ春画アートを手に入れる方法を解説する。
「できることなら、美しい春画を自宅で鑑賞したい──」。約6年前から、そんな願いが段階的に叶えられるようになってきているという。国際日本文化研究センター名誉教授の早川聞多氏が語る。
「春画の販売は明治時代に条例が制定されてから規制され続けてきました。しかし近年、フィンランドの美術館など海外の有名美術館で次々と展覧会が開催され、2013年に大英博物館で『春画展』が開催されたことを契機に、一気に一般販売を行なう店が増えてきました」
では、実際に春画を購入するためにはどうすればいいのか。東京・南青山のギャラリー『紅屋』の高島匡夫氏が解説する。
「春画を取り扱うのは当店のような絵画ギャラリーや古書店、あとは浮世絵店です。英国の『春画展』以降、芸術品として認知されるようになったことで、各店舗が春画を目録に載せるようになりました。最近は在庫品だけでなく、お客様から“この絵師の作品が欲しい”とご依頼を受けて探すケースも増えています」
しかし、闇雲にギャラリーを訪れてもお目当ての作品に辿り着くことはできない。