“51歳ひきこもり男”が川崎市・登戸駅前で私立カリタス小学校の児童と保護者ら20人を殺傷した事件。殺人や殺人未遂などの容疑で書類送検された岩崎隆一容疑者は11月8日、被疑者死亡で不起訴処分となった。
事件直後から注目されたのが、岩崎が小学生時代に両親の離婚後で伯父夫婦の元に引き取られ、伯父夫婦の子供(姉弟)とともに育てられたという環境だった。
岩崎が犯行時まで住んでいた伯父夫婦の家を訪ねると、誰かが暮らしている気配もなくなっていた。近隣住民は「ご夫婦は、介護施設に入られたようです」と語る。
これまで沈黙を続けてきた岩崎の従姉の女性を訪ねると、夫が代わって取材に答えた。
「(岩崎)隆一くんのことは、何回か会っただけで、あまり記憶にはないんです。会えば普通にあいさつはしますが、会話はあまりしていません。
(事件については)何も話はしないようにしている。(妻が)あちらの家の中のことは話したくないようでした。ひとつだけ気になったのは、(岩崎が)ちょっと精神的に弱かったということですね。もしかしたら繊細すぎて、おかしくなったのではないかと思いました」
年の瀬、岩崎の弔いはしたのかと記者が尋ねると、こう語気を強めた。
「それはないです。できないでしょう。亡くなった人のことを考えれば」
岩崎の遺体は誰が引き取ったのか。神奈川県警に尋ねたが「警察が答えるものではありません」(広報県民課)と言うのみだった。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号