2019年10月に発覚した神戸市立東須磨小学校の「教員いじめ」事件。20代の後輩教諭に“激辛カレー”を無理やり食べさせるなどした加害教諭4人は分限休職処分中。給与も停止され、間もなく神戸市教育委員会による懲戒処分が決定する。被害教諭は9月から休職。
「精神的に不安定な状態が続いたが、回復に向かいつつある」(代理人弁護士)。
気になるのは、この事件で5人の“先生”が突然姿を消した学校の「その後」。
「問題発覚後、校門に警備員が配置され、公立小学校とは思えぬ物々しい雰囲気になった。代替教員も来たし、授業には影響がないと思うが、事件のショックで“学校に行きたくない”という子供が出ている」(東須磨小の保護者)
神戸市教育委員会は、「10月からスクールカウンセラーを常駐させ不安の解消に努めている」というが、未就学児童の保護者は「あんな事件があった学校に通わされへんわ。お金はかかるけど、近隣の私立小学校への就学を検討してます」と、不信感を隠さない。
加害教諭には刑事処分の可能性も残されているが、アトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士は「不起訴になる可能性が高い」と見る。ただし、民事裁判に持ち込まれた場合は、被害者から100万円を超える慰謝料を求められる可能性があり、「仮に『PTSDで就労不可』などとなれば、請求額が数百万円になることも考えられます」(同前)
4人の加害教諭は重い代償を迫られることになる。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号