体の不調を感じたとき、病院に行って、しっかり診察してもらい、適切な処方薬をのむのが、最善であることはいうまでもない。しかし、年末の忙しい時期は、なかなか病院に行く時間が作れないという人も多いだろう。さらに、年末年始の休みの間に病院に行こうと思っても、同じ考えの患者が多く、病院は大混雑。何時間も待たされて、逆に具合が悪くなってしまうということもある。
そういった場合、ドラッグストアで販売されている市販薬を使うケースも多いだろうが、一体どの薬を使うべきなのか、素人ではなかなか判断が難しいのも事実だ。
そこで、医療のプロフェッショナルである医師に、普段使っている市販薬について話を聞いた。専門家が使う市販薬であれば、間違いないはずだ。
◆脳神経外科医が頼る“血栓系”の薬
肩こりや腰痛、ねんざなど痛みを感じた時、「鎮痛」に詳しい外科系の医師たちが、「使っている」と声をそろえたのは『ロキソニンSテープ』だ。
「成分はロキソプロフェンナトリウム水和物で、処方薬とまったく一緒です。『ロキソニンSテープ』は比較的副作用が少なく、かつ効き目がいい」(整形外科医の井上留美子さん)
もう1つ、井上さんがすすめるのは塗り薬の『ゼノールエクサム』だ。
「腫れや痛みを取り除く成分のフェルビナクを3%配合している。これは処方薬として人気の『スミルスチック』とほぼ同じ内容で、処方薬に近い効果が期待できると思います」(井上さん)
鎮痛薬だけではない。脳神経外科の専門医として日々、脳卒中や心筋梗塞の治療にあたる菅原脳神経外科クリニック院長の菅原道仁さんは脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げるオメガ3脂肪酸をすすめる。
「良質な油分であるEPAを含むオメガ3脂肪酸は、『エパデール』という名前で第一類医薬品になっています。主に外食で肉などこってりしたものを食べた時や魚を1週間以上食べていない時に摂っています。この薬でなくてもサプリメントでも構いません。オメガ3脂肪酸を摂ることで、血栓系の病気にそなえることができるのです」
魚など食べ物で補うことができるのならばそれに越したことはないが、常備しておくのも手だろう。
※女性セブン2020年1月2・9日号