箱根駅伝で史上最多14回の総合優勝を誇る中央大。1959年からの総合6連覇は現在まで破られていない金字塔だ。主力として偉業に貢献したOBの碓井哲雄氏が振り返る。
* * *
連覇が始まった最初の年は、高校の全国ランキング20傑のうち12~13人が中央大に入るほど、有力選手が集中していました。
優勝を重ねれば毎年、強い選手が入ってくるから、4年間ずっとレギュラーだったのは、のちに1964年の東京五輪で3000m障害の代表になった横溝三郎さん(現・東京国際大学監督)らごく一握りの選手だけ。それだけ部内の競争が激しかった。
印象深いのはアンカー10区を任された1963年の大会です。2位のライバル日大とは3分の差があり、襷を受け取った私が区間賞狙いでペースを上げると、監督車から「落とせ、落とせ」の指示。連覇がかかる重圧のなか、慎重になったのでしょう。
チームは5連覇したけれど、個人では区間3位。7割に抑えた走りでしたから、区間賞を逃して頭にきたものです(笑い)。その後は2回、「花の2区」を走りましたが、各校のエースが集まるだけに区間3位と2位。区間賞には縁がありませんでした。
※週刊ポスト2020年1月3・10日号