医者が書く本と言えば、「こうすれば治る!」と独自の治療法を紹介するものが多いが、発売1か月で3万8000部を突破したこの本は違うようだ。京都大学大学院医学研究科消化器外科医の山本健人氏が上梓した『医者が教える正しい病院のかかり方』は、病院にまつわる初歩的な疑問の数々に丁寧に答えた内容で、“気になっていたけど先生には聞きづらかった”と読者の共感を集めているという。
今回は山本氏が、「薬をもらうとき」の疑問3つに答えてくれた。
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【Q:先発薬とジェネリックはどう違う?】
ジェネリック医薬品とは、先発薬と同一の有効成分を同一量含み、同じ効果があると科学的に証明された薬です。最大のメリットはそれで値段が安いこと。
しかし注意が必要なのは飲みやすさなどを配慮して錠剤を小さくしたりする工夫がされたジェネリックなどでは、先発薬には使われていない添加物が配合されていること。そうした成分にアレルギーのある患者さんもいらっしゃいます。
「オーソライズド・ジェネリック」という、添加物を含めて成分が先発薬とすべて同じというジェネリックを選べる場合もあります。
【Q:市販薬と処方薬の違いは?】
処方薬のほうが効くようなイメージがあるかもしれませんが、市販の薬も同じ名前であれば成分は同じものがほとんどです。たとえば市販薬の「ロキソニンS錠」と処方薬の「ロキソニン錠」は同じです。ただし、同じ薬でも、成分量が違うというパターンがあります。
風邪薬の市販薬「パイロンPL顆粒」と処方薬の「PL配合顆粒」は市販薬のほうが成分量が少なく設定されています。市販薬は医師の処方箋を必要としないので、より副作用の危険がないようにとの配慮です。
風邪などで症状が軽いのであれば市販薬で様子を見る。治らなかったり症状が重ければ医師に相談して症状に合わせたピンポイントの薬を処方してもらうというのが賢い方法でしょう。