ビジネス

ゴーン氏の極秘出国、東京にいる娘すら知らなかった

合計15億円といわれる保釈保証金は没収される見込み(AFP=時事)

合計15億円といわれる保釈保証金は没収される見込み(AFP=時事)

 12月31日、日本を出国しレバノンに到着したことが明らかになった日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告。その真意をめぐってさまざまな憶測が飛び交う中、レバノンから声明文が発表された。

「私は現在レバノンにいて、これ以上、有罪が前提とされ、差別がはこびり、基本的な人権が守られていない日本の仕組まれた司法制度の人質になることはありません。日本は、国際条約で保障されている、公平で迅速な裁判を行うこと、有罪を前提としないこと、基本的な人権、を守る義務があります。私は司法から逃げたのではなく、不正(不法)と政治的迫害から逃れたのです。ようやく自由にメディアとコミュニケーションが取れる状況になったので、来週からメディアに発信して行こうと思います」

 この声明文の意図について、ゴーン氏の関係者はこう推測する。

「保釈に際しては海外渡航の禁止や妻との接触禁止など細かい条件がいくつもつき、行動が制限されることにゴーン氏は憤っていた。保釈後に居住していたのは東京都内にある戸建て住宅だが、入り口には監視カメラが付き、家財道具があまりなく、訪問客へのスリッパすら用意できない状況だったと聞いている。今回の出国計画については、東京での生活に常に寄り添っていた娘すら知らなかったようなので、子煩悩で知られるゴーン氏としては相当な覚悟を持った行動のはず。今後は、保釈後も自由な生活を送ることが許されない日本の司法の問題性を、国際社会に訴えていくつもりなのでしょう」

別名で出国したとの報道も(時事通信フォト)

別名で出国したとの報道も(時事通信フォト)

 2018年の逮捕以来、日本の司法制度に批判的だった海外メディアは、ゴーン氏の“亡命”を支持するかのように、同氏の主張を次々と伝え始めている。世界を巻き込んだゴーン氏の反転攻勢が始まり、4月に開始する予定だった公判にも影響を及ぼすことは確実な情勢だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン