「南海トラフ」「首都直下」「アウターライズ」。甚大な被害を招きかねない、巨大地震の不気味な予兆が多発している。地震発生時に命を守る、最新の防衛法とは──。
これまでの地震の経験を生かし、日本では“防衛術”も進化している。情報通信技術の進んだ現在、地震への備えでフル活用したいのがインターネットサイトやスマートフォンのアプリだ。
ヤフーの『Yahoo!天気・災害』は、リアルタイムの震度情報を提供する。防災科学技術研究所のデータを利用し、震度を8つのカラーで色分けすることにより、震源地から同心円状に揺れが広がる様子が一目でわかる。
「地震発生時にどの程度の揺れがどこまで広がっているかをサイトで把握して、自分の安全確保や家族のいる場所の状況確認に利用してほしい」(防災科研・地震津波火山ネットワークセンター)
国土地理院主催の「防災アプリケーション賞」を3年連続で受賞しているのが、『goo防災アプリ』だ。
「住まいのエリアを登録しておけば、災害時に地震情報や避難所の情報、避難勧告などをアプリが自動的に知らせてくれます。また『防災マップ』機能では、自宅から最短距離の避難所を検索することができます。標高の高さも表示されるので、津波を想定して避難所を選ぶこともできます」(同アプリを運営するNTTレゾナント広報担当者)
家族や友人などの安否は、不確かな情報が拡散しやすい。これも『goo防災アプリ』の「J-anpi」機能を使えば、複数の通信キャリアに登録してある安否情報を横断的に検索することができ、確率がぐっと上がる。
巨大地震が起きた後は、交通渋滞や道路封鎖が起きて車による移動が困難になる。トヨタ自動車の道路情報サービス、『通れた道マップ』を活用すればスムーズに避難でき、逃げ遅れも回避できる。
「トヨタ車に搭載された車載通信機のビッグデータを収集し、地震発生後でも通行できた道路や通行止めの情報などをリアルタイムでサイトに掲示します。目的地までの道路状況を地図で確認できるため、避難する際に役立ちます」(トヨタ自動車渉外広報部)
地図を主に出版する昭文社が運営するアプリ『震災時帰宅支援マップ』は、地震発生時にGPSを用いて、任意の目的地へ歩いて向かう方法を示してくれる。オフラインでも利用でき、「一時滞在のための施設」を検索できる優れモノだ。
年末年始も油断することなく、いつか必ず起こる大地震への備えを進めておこう。
※女性セブン2020年1月2・9日号