正月休みに親子でトランプや双六(すごろく)などのゲームで盛り上がる家族も多いだろう。ボードゲームでは、サイコロを振ってコマを動かしたり、カードをめくったりすることが多い。じつは、サイコロ1個だけを使って、双六を単純にしたようなゲームがあるという。ニッセイ基礎研究所・主席研究員の篠原拓也氏が紹介する「ピッグ」が、そのゲームだ。
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確率や統計の話題には、ギャンブルと関係するものが多い。コイン、トランプ、ルーレットなどを用いたゲームで、さまざまな研究や分析が行われている。サイコロもそのうちの1つだ。サイコロは、世界中で用いられている。日本でも、たまにテレビの時代劇などで、丁半のシーンを目にしたりする。
今回は、研究者の間で知られている「ピッグ」というサイコロのゲームを紹介しよう。このゲームは、英語のpigという単語が持つ「強欲豚」の意味から、このような名前で呼ばれている。では、どのように強欲なのか、まず、ゲームの仕組みを紹介しよう。
ゲームに使うサイコロは1つ。このゲームは2人以上なら何人でもできる。ゲームの原型は、2人のプレイヤーが対戦する形式だ。以下では、プレイヤーが2人の場合で説明する。
まず、2人の間で手番の先・後を決める。2人がサイコロを1回ずつ振って、出た目が大きいほうが先、小さいほうが後、といった感じだ。
プレイヤーは自分の手番に、「1」の目が出ない限り、サイコロを何度でも振ることができる。そして、いつ振り止めても構わない。振り止めた場合は、振り止めるまでに出たサイコロの目の合計が、その手番での得点となり、手番は終了となる。
ただし、もしも「1」の目が出てしまったら、その手番で得ていた得点はすべて没収されて、得点は0となり、その手番は終了となる。
手番が終わると、前回の手番までに獲得していた点数に、今回の手番の得点が加算される。この合計点数は、没収されて減るようなことはない。そして、相手のプレイヤーの手番となる。これを繰り返していって、先に合計点数が100点に達したプレイヤーが勝者となる。