一昨年5月、惜しまれながらこの世を去った西城秀樹さん(享年63)。同年秋には妻、木本美紀さんが、著書『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年』(小学館)で、これまで伏せられてきた秀樹さんの病状や闘病を支えてきた家族の思いを綴り、10万部を超えるベストセラーとなった。
著書の出版にあたり、美紀さんは秀樹さんのファンの人の思いを大切にしたいと考え、本当の病状を明かすことにかなり迷いがあったという。
「アイドルだった秀樹さんの闘病の話は、知りたくなかったというファンの人もいらっしゃったと思います。しかし、本を読んだ方々からは『病気でつらいこともあるが、元気をもらえた』『本当の病状を知って改めて秀樹さんの精神力と努力に感動した』といった言葉をたくさんいただき、秀樹さんの病気のことをお伝えすることで、誰かのお役に立てることもあるのだと、考えを新たにしました」(木本美紀さん)
このたび、美紀さんは、WEBサイト「介護ポストセブン」(https://www.news-postseven.com/kaigo/77035)のロングインタビューに応じ、秀樹さんと共に歩いた日々、特に闘病や介護について語っていくことを決意した。
最愛の夫との日々、秀樹さんの父親としての顔や、自宅での過ごし方、支えてきた家族の思いなどを、具体的なエピソードや写真などを交えて、定期連載で明かしていくという。
「介護といわれても、私自身、介護をしているという意識をもったことは一度もありませんでした。家族がどうやったら気分良く過ごせるだろうかと考える、いつもそういう気持ちで、その都度、私にできることを続けてきただけなんですよ」と美紀さんは語るが、年子の3人の子どもたちの子育てをしながらの生活は、ドタバタだったと振り返る。
「長女がお腹にいる時に、最初の脳梗塞を起こしました。幸い、その時はほとんど後遺症がなかったのですが、その後、年子で長男、続けて次男と生まれ、秀樹さんの病気との闘いと子育ては常に同時進行でした」
何度も脳梗塞を繰り返し、そのたびに入院治療を続けてきた秀樹さんを18年にわたり支えてきた美紀さんは、「大切な家族の思いをどうやったら叶えられるか」、そう考えることで、常に前を向いてきたという。
「ご自身やご家族が病気で闘病されている方、介護中の方に、秀樹さんがどのよう頑張ってきたのか、家の中のちょっとしたことでもリハビリになるように工夫していた話などを知っていただくことで、何かのお役に立てればとお話させていただきました」
と、連載の要請に応じた理由を語る。
先日、美紀さんの誕生日に、3人のお子さんたちからサプライズのお祝いをしてもらった喜びを、墓前に報告したという。ことあるごとに、お墓に行き、夫に語りかけている。
「最近ようやく、“西城秀樹”の歌や映像を家族で見ることができるようになったんです」と美紀さん。
子どもたちがそれぞれの形でパパの闘病を応援してきたエピソードや、木本家の食卓の様子など、語られるエピソードには、家族みんなで秀樹さんを支えてきた木本家の強い絆を感じる。