フリーライター鈴木智彦氏が山口組を含む現役組員100人にアンケート調査を実施した。一触即発の緊張感のなか、質問をぶつける作業はしんどい作業だったというが、聞き取り調査の結果は変わりゆく暴力団の実相を知る手がかりとなるはずだ。
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暴力団のカネ回りは表社会の映し鏡である。表経済が冷え込めば、裏側にも寒風が吹く。ただひとり「景気が良いと書いてくれ」と言った親分は、冗談ともつかない口調でこう言った。
「マスコミが『ヤクザは儲からない、食えない』と描き続けるから、若いヤツが入ってこない。多少景気が良いことを書いてくれないと人材が集まらない」
が、食い詰めたヤクザを探すのは、あまりに簡単だ。
●調査・文/鈴木智彦(フリーライター)
※週刊ポスト2020年1月3・10日号