今では「男性アイドル=ジャニーズ」という印象を持つ人は少なくない。それほどまでに、ジャニー喜多川氏(享年87)の功績は大きい。だがもし、ジャニー氏が『たのきんトリオ』の一員として、田原俊彦や近藤真彦をグループで歌手デビューさせていたら、芸能史は変わっていたかもしれない──。そんな芸能史の転機を、データとともに振り返ってみよう。
2019年12月30日放送の『輝く!日本レコード大賞』(TBS系)では『特別音楽文化賞』が新設され、ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏が受賞。1980年代のVTRを中心に、過去のジャニーズ受賞歴がオンエアされた。31日の『NHK紅白歌合戦』ではジャニー氏の追悼企画としてSixTONESやSnow Man、美 少年、HiHi JetsなどのジャニーズJr.が特別出演。2019年7月9日に亡くなったジャニー氏の功績が称えられた。
ジャニーズ事務所が現在のように芸能界を席巻するようになった契機は、1979年10月26日開始のドラマ『3年B組金八先生』(TBS系)の生徒役に田原俊彦、近藤真彦、野村義男が抜擢されたことに始まる。
1975年に郷ひろみが移籍し、1978年にフォーリーブスが解散。1970年代後半、事務所は低迷していた。その窮地に現れた3人はドラマとともに人気が上昇。1980年3月28日の『金八先生』最終回は視聴率39.9%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)を記録し、社会現象を巻き起こした。
その後3人は、5月からフジテレビ系の学園ドラマ『ただいま放課後』に出演。5月11日に行われた番組イベントで、3人の頭文字から取った『たのきん族』というニックネームが発表された。当時は公募から選んだと発表されていたが、のちにジャニー氏が自ら名付けたことを認めている。